レンズの見え方(ご参考)
レンズのラインナップが増えて来ており、問い合わせも頂いておりますので、
各レンズで撮影した画像をご紹介いたします。
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条件は50cm離れたところから、高さが約43cmの被写体を撮影したときの
見え方です。
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■H-S0U02A-RM22 (HFOV:55°)
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■H-S0U02A-TA08 (HFOV:98°)
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■H-S0U02A-TA25 (HFOV:80°)
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■H-S0U02A-TA33 (HFOV:150°)
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■H-S0U02B (HFOV:55°) *M5レンズです。
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一般的にレンズは広角になればなるほど、周辺の歪が発生します。
歪が気になる方はFOV値が、80°程度までの物をお勧め致します。
*80°品でも多少の歪はでます。
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[技術者のひとこと] 赤外線カメラと普通のカメラの違い その2
前回のつづき
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じゃあ、赤外線カメラって何なのよ?ってなるかと思います。
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ぶっちゃけて言うと、人間の目には見えない光なので、人に
気づかれずに撮影が出来るという事です。
まあ、主には監視用途ですね。
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ライトやストロボを使って撮影すると、カメラを壊される可能性が
あるので、赤外線でそっと撮影しておれば、気づかれないと
いう事です。
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赤外専用のライトで照らして撮影した場合、普通のカメラでは
全く映らない映像が、色はつかないものの、鮮明に写ります。
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ちょっと別のカメラモジュールから、赤外線のLEDライトを
拝借。
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IRカットフィルターが付いているカメラで、撮影するとぼや
っと赤っぽく映っていると思います。
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人間の目にはもっと暗く見えます。
点灯しているのかしてないのかよく見ないと解らないレベル。
(人によって、見える人も居るようですが)
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これを赤外線カメラで撮影してみると
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はい、このように実はものすごく明るいんです。
(点のようにみえるのはレンズのゴーストです。)
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これによって、人間に見つからずに、撮影できちゃうって
事になります。
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更に、赤外線はある程度の物であれば透過してしまいます。
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普通のカメラで取った画像。微かに下に何か見えると思います。
肉眼で見ても、何かあるなという程度です。
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赤外線カメラで見ると、字までは見えないものの、何があるか
ぐらいは解ります。
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赤外線ライトの波長や強度によってはもっと鮮明に写ります。
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こう言った特性を使って、人間の目には解りづらい、衣類の
シミや、コンクリートのヒビなどを見つけるのに使われる事も
あります。
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赤外線カメラは、監視や特殊な使われ方をする事が多く、
まだまだ可能性を秘めているなーと感じる今日この頃です。
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それでは、また。
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[技術者のひとこと] 赤外線カメラと普通のカメラの違い
最近、赤外線カメラとかIRカメラとかこういった名前をよく聞くように
なりました。
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左が普通のカメラ、右が赤外線(IR)カメラです。
大きさは置いといて、見た目にはほとんど解りません。
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さて、この2つ、何が違うのでしょうか?
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ハードウェアもソフトウェアも厳密に言わなければほとんど
差はありません。徹底的に違うのは、レンズについている
光学フィルターです。
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レンズを裏から見た写真ですが、赤っぽく見えるガラスが
解りますでしょうか?
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これが、赤外線(IR)カットフィルターと呼ばれるもので、
自然光に含まれる赤外線より波長が長い光をカットする
フィルターです。
(光の反射とレンズのコーティングで赤っぽく見えますが、
実際は青色です。)
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なんでカットする必要があるのかは、これから。
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人間の目には可視光と呼ばれる、目に見える光の波長
範囲があります。
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だいたい、400nm~750nmぐらいの範囲です。
400nm辺りの光は青く、750nm辺りの光は赤く見えます。
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イメージセンサーは、可視光の範囲を超えて、光を電気信号に
変えてしまうため、適切にカットしないと、人間が見ている色と違った
色になってしまいます。
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まあ、簡単に言うと、人間が緑と思っている物は、人間がそう
見えているだけで、実際には違う色に見えている動物も居る
という事です。
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ちょっと実験
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赤外線カメラで室内で撮影します。
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まあ、緑は緑に写ります。
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外で取ってみます。
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枯れた葉っぱ?
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いえ、違います。本物は青々としています。
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室内だと、ちゃんと緑に映るのに、屋外だと何故、おかしく
なるでしょう?
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答えは簡単。室内は蛍光灯の光なので、赤外線はほとんど
含まれません。(ほとんどは可視光の光だけ)
変わって屋外は太陽光なので、思いっきり赤外線が含まれます。
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つまり、人間が見える範囲以上の光をセンサーが電気信号に
変えてしまっているためです。
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熱を感じる光が赤外が含まれていると考えて下さい。
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太陽とか、白熱電球とかめちゃくちゃ熱いですよね?
あれは赤外線が含まれて居るからです。
こたつも一緒。
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さて、ここで、IRカットフィルターの登場。
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良いSampleが手元になかったので、適当に…。
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ちょっと見えにくいですが、青いガラスの下にあるグラフ・
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光が透過する範囲を示して居ます。
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これによると、400~650nmになりますね。
ほぼ、人間の可視光の範囲です。
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これを付けてみると…
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はい、ちゃんと緑になりました。
(右側に見える白っぽいのは私の指です。ガラスをレンズに
押し当ててました。ごめんなさい。)
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つまり、カメラも人間が見える範囲の光だけにしないと色が
まともに出せなくなってしまいうんですねー。
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テレビで、よく真っ暗な映像が緑一色とか白黒で出ているのを見たこと
無いですか?
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あれ、色がまともに出ないので、わざとあのようにしてるんです。
知ってましたか?
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ちょっと長くなったので、一旦これで。
[技術者のひとこと] 大容量タンタルコンデンサ
ちょっと情報収集を怠ると、いつのまにか部品の進化がすごいことに
なっていることに気づきます。
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今回は、タンタルコンデンサについてのお話です。
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近頃、半導体の技術が向上し、あまりノイズがでなくなっているからか、
タンタルのような大容量の物を使う事が少なくなってきています。
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私が記憶しているのは470uF程度までは、存在しているのは知って
おりましたが、値段とサイズから考えると電解の方が良いという
結論になっていた気がします。
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しかし、ここ数年使っていなかったタンタルですが恐ろしく進化しており、
なんと2200uFという電解を超えるような容量の物もあるようです。
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もちろん、耐圧は低くはなるのですが、同容量の電解と比較しても
サイズが小さいので、これは非常に面白い商品だなと思いました。
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浦島太郎にならないように、情報収集は必要だなと感じる
今日この頃です。
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ちなみに、タンタルコンデンサの情報は京セラ様のHPをご覧ください。
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http://www.kyocera.co.jp/prdct/electro/product/capacitor/tantalum.html
[技術者のひとこと] DC/DCコンバータとレギュレータ
今回は、DC/DCコンバータとレギュレータの違いを紹介します。
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簡単に表にすると…
こんな感じ。個人的主観ではありますが…。
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ちなみに、レギュレータとLDOはちょっと違います。
LDOはLow Drop Out regulatorの略で、入出力電位差が小さいレギュレータを
指します。主に0.5V前後の電位差で動作が可能なものですね。
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さて、DC/DCコンバータとレギュレータの差は何でしょうか?
上の表を見て貰えばだいたいは解ると思いますが、大電力にはDC/DCコンバータ、
小電力にはレギュレータを使うのがお勧めです。
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DC/DCコンバータのメリットは大電力が取り出せるのと、変換効率が良いので、
発熱が少ない点です。
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動作原理は
こんな感じ。
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6Vから3.3Vを作る際は、ON(出力)、OFF(停止)を繰り返し、外付け
のLPFで、平滑(主にはLとCのLPF)して希望の電圧を取り出します。
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DC/DCコンバータは、出力電圧を常に監視しており、変化に応じてON/OFFする
比率を変えて、出力電圧を維持します。
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つまり、必要な時間以外はOFFしているため、電力的に効率が高いのがメリットです。
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ただし、部品点数が少々多いのと、ON/OFFの周波数が低め(数百KHz~数MHz)
な為、これに近い周波数で動作しているものに影響を出す事もあります。
(たとえば、映像系のものとか)
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変ってレギュレータ(LDO)ですが、まずは周辺回路が圧倒的シンプルということです。
最低3つでOK。
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たとえば、新日本無線のNJM2888シリーズ。
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更に、DC/DCコンバータと比較して、出力の誤差が非常に小さい点もあります。
一般的なものでも、±2%程度の誤差しか出ません。
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また、DC/DCコンバータと比べ、電圧をコントロールする速さが圧倒的に早い
ので、ノイズに強いという点もあります。
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ただし、大きなデメリットもあります。
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DC/DCコンバータと違って、入力の電圧を内蔵しているトランジスタのON抵抗
を変えることにより希望の電圧を出力しているため、入力と出力の電位差が大きい
とその差分が全て熱に変わってしまいます。(つまり熱い)
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計算式としては、(Vin-Vout)☓Iout で算出される電力が全て熱に変わります。
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Vin=6V、Vout=3.3V、Iout=100mAの場合、
(6V-3.3V)☓100mA=270mW が熱(捨て電力)になります。
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消費する電力が3.3V☓100mA=330mWですから、ほぼ同じ電力が熱に変ってる
ということになります。
(電源の大元から見た場合、6V☓100mA=600mWの負荷になります。)
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レギュレータを始め、ICには許容熱損失(PD値)と言うものがありますので、これを
超えない電力に収める必要があります。
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結論としては、
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大電力(500mAを超えるような系統)には、DC/DCコンバータ。
小電力(100mA以下)には、レギュレータ。
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というような使い方をお勧めします。
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それではみなさま、良いお年を。
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[技術者のひとこと] 60Hzと50Hz。そして、フリッカー。
カメラを使っていて、動画で、画面がチラチラするのを見たこと
無いでしょうか?
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今回はその原因を紹介します。
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カメラは、フレームレートと呼ばれる1秒当たりの静止画をパラパラ漫画
のように連続して表示して動画のように見せています。
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一般的なテレビでは、1秒当たり60枚の静止画を表示して動画に
しています。
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つまりカメラもこのレートで撮影するのが好ましいのです。
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しかし、ここで問題があります。それは電源の周波数です。
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東日本は50Hz、西日本は60Hzと聞いた事があると思います。
なぜだか、ご存知ですか?
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実は…。
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最初に買った発電機がアメリカ製だったか、ドイツ製だったかの差!
という何とももどかしい理由なのです。
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欧州は50Hz、アメリカは60Hzなので、日本で混在するのは
この理由なのです。
・
では、なぜ電源がカメラのチラつきに影響するのでしょうか?
・
・
蛍光灯はずっと光っているように見えますが、実は電源と
同じように明るくなったり暗くなったりを繰り返しています。
(解りやすいように、マス目にしてあります。)
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西日本の場合、カメラの周期も60Hzなので、蛍光灯の点灯周期と
ばっちりと合う為、チラつきは起きません。
・
・
変って東日本ですが、電源は50Hzなので、カメラのサンプルレートと
比較して点灯周期が少し時間が長くなります。
・
つまり最初のフレームを100%とすると、点灯周期と合わなくなるため、
1画面の明るさが微妙に変って行きます。
(暇な方が居たら、マス目を数えて見て下さい。)
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これがちらつきの原因、フリッカーと呼ばれるものです。
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しかしながら、東日本で電力が不足した時に、西日本から電力が
送れない理由が、これだというので、何とかすべきなのでしょうが、
もう無理なんでしょうねー。
・
補足
上記図では、蛍光灯の点灯周期を60Hz、50Hzとしていますが、
実際は倍の120Hzと100Hzになります。
(詳しくはAC電源でググッて見て下さい)
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また、西日本ではフリッカーが起きない訳ではありません。
フレームレートやシャッタースピードによっては出る場合もあります。
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[技術者のひとこと] HD-SDIとHD-CCTV
最近、監視カメラの設計を代行した事もあり、規格について考えてみました。
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監視カメラは、IPカメラが現在、どんどんと増えてきては居ますが、
従来のような同軸線を使ったカメラもまだまだあります。
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同軸線を使うカメラは従来のアナログカメラのケーブルをそのまま使えるので、
IPカメラのように、新たにLANケーブルを設置する必要がないのがメリットです。
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その中の規格で、HD-SDIと、HD-CCTVというのをよく目にします。
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これらの差は一体何なのでしょうか?どちらも同軸線を使いますし、
SDIモニターであれば、どちらも映ります。
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まず、結論から言うと、HD-SDIは、SMPTEで正式に承認された
規格で、HD-CCTVはそれらに改良を加えた独自の物になります。
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HD-SDIは、SMPTE292Mで規定された、1.485Gbpsの
データ転送容量を持った映像伝送規格です。
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1080の30p(720の60p)までのサイズ、フレームレートに対応しています。
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1080の60pは、一つ上の規格、3G-SDI(SMPTE424)で対応します。
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HD-SDIは、映像のみを伝送する事に特化していますので、通信や電源の重畳はしてはなりません。
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更に、ペイロードIDの埋め込みが必要で、受信機側にこれから送信する映像のフォーマット
(Sampling Structureや、Field/Frame Rate)の申告が必要になります。(これが一番厄介!)
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*クリックで拡大します。
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代わって、HD-CCTVは、拡張規格として、通信や電源の重畳が許されていますし、ペイロードID
は必要ありません。受信機側で上記内容は(自動で)判断されます。
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逆に言うと、電源や通信を重畳した、又はペイロードIDが無い時点で、HD-SDIカメラでは
ないという事です。(HD-CCTVカメラということになります。)
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しかしながら、HD-SDIという言葉が、デジタルのSDIカメラというように広く認知されて
しまっているので、誤ったHPをよく見ます。
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もし、SDIカメラを設計される際は十分にご注意下さい。
[技術者のひとこと] レンズのあれこれ
今回、レンズの画角について、お話してみようかと思います。
いくつか比較してみましたので紹介します。
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左がピンホールレンズ、右が少し広角(対角100°程度)のレンズです。
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どちらもM12規格の物なので、交換可能なものです。
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ピンホールレンズは、一般的に画角は狭くなります。
同じ距離で撮影しても、これだけの差になります。
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次に最近需要が増えてきた超広角レンズです。
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左が100°、右が180°(対角)のレンズです。
(上の100°レンズとは違います。)
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被写体までの距離は約10cm。
画角で圧倒的な差がでます。
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とは言え、広角レンズのデメリットとして、レンズが大きくなる事や
周辺が歪むという事も理解が必要です。
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用途に合わせてレンズの画角を決めると言うのが、BESTな選択でしょう。
レンズのご相談も可能ですので、お気軽にご相談下さい。
ホームページを公開しました。
今後の更新にご期待ください!