[技術者のひとこと] HD-SDIとHD-CCTV
最近、監視カメラの設計を代行した事もあり、規格について考えてみました。
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監視カメラは、IPカメラが現在、どんどんと増えてきては居ますが、
従来のような同軸線を使ったカメラもまだまだあります。
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同軸線を使うカメラは従来のアナログカメラのケーブルをそのまま使えるので、
IPカメラのように、新たにLANケーブルを設置する必要がないのがメリットです。
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その中の規格で、HD-SDIと、HD-CCTVというのをよく目にします。
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これらの差は一体何なのでしょうか?どちらも同軸線を使いますし、
SDIモニターであれば、どちらも映ります。
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まず、結論から言うと、HD-SDIは、SMPTEで正式に承認された
規格で、HD-CCTVはそれらに改良を加えた独自の物になります。
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HD-SDIは、SMPTE292Mで規定された、1.485Gbpsの
データ転送容量を持った映像伝送規格です。
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1080の30p(720の60p)までのサイズ、フレームレートに対応しています。
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1080の60pは、一つ上の規格、3G-SDI(SMPTE424)で対応します。
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HD-SDIは、映像のみを伝送する事に特化していますので、通信や電源の重畳はしてはなりません。
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更に、ペイロードIDの埋め込みが必要で、受信機側にこれから送信する映像のフォーマット
(Sampling Structureや、Field/Frame Rate)の申告が必要になります。(これが一番厄介!)
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*クリックで拡大します。
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代わって、HD-CCTVは、拡張規格として、通信や電源の重畳が許されていますし、ペイロードID
は必要ありません。受信機側で上記内容は(自動で)判断されます。
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逆に言うと、電源や通信を重畳した、又はペイロードIDが無い時点で、HD-SDIカメラでは
ないという事です。(HD-CCTVカメラということになります。)
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しかしながら、HD-SDIという言葉が、デジタルのSDIカメラというように広く認知されて
しまっているので、誤ったHPをよく見ます。
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もし、SDIカメラを設計される際は十分にご注意下さい。
[技術者のひとこと] レンズのあれこれ
今回、レンズの画角について、お話してみようかと思います。
いくつか比較してみましたので紹介します。
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左がピンホールレンズ、右が少し広角(対角100°程度)のレンズです。
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どちらもM12規格の物なので、交換可能なものです。
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ピンホールレンズは、一般的に画角は狭くなります。
同じ距離で撮影しても、これだけの差になります。
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次に最近需要が増えてきた超広角レンズです。
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左が100°、右が180°(対角)のレンズです。
(上の100°レンズとは違います。)
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被写体までの距離は約10cm。
画角で圧倒的な差がでます。
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とは言え、広角レンズのデメリットとして、レンズが大きくなる事や
周辺が歪むという事も理解が必要です。
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用途に合わせてレンズの画角を決めると言うのが、BESTな選択でしょう。
レンズのご相談も可能ですので、お気軽にご相談下さい。